足掛かり

【足掛かり】

「足掛かりになりたい」──これは、ずっと私の中にある願いです。誰かの人生の中で、ふと前を向ける瞬間。そのきっかけに、私の言葉や行動、存在がなれたらいい。そう思いながら、今日もお店に立ち、お客さまと向き合い、そして自分の人生も歩んでいます。

私は、エステという“癒し”の仕事、飲食という“喜び”の仕事、そして保険という“守り”の仕事に携わってきました。全くジャンルの違う3つの仕事。でも、どれにも共通しているのは「人の人生に関わる」ということです。

エステに来られるお客様は、心に疲れを抱えている方もいれば、「キレイになって新しい自分になりたい」と願う方もいます。飲食店に来られるお客様は、仕事帰りでくたくたになっていたり、大切な誰かと笑い合いに来ていたり。保険のお客様は、将来の不安を抱えながらも「今、自分にできる最善の選択をしたい」と考えておられます。

そんな一人ひとりの背景に、私はいつも想像を巡らせながら接しています。

私の一言が、もしかしたら誰かの明日を変えるかもしれない。

私のお店が、誰かの「また頑張ろう」と思える居場所になるかもしれない。

たとえその時は小さなきっかけだったとしても、人生って、意外とそういう“ほんの少しの何か”で変わっていくものだと思うのです。

私自身も、かつては足場のないところを必死に這い上がってきた時期がありました。

何度も「もう無理だ」と思ったし、失敗もたくさんしました。

だけど、そんな時に「あなたがいてくれてよかった」「このお店に来て元気になれた」と言ってくださる方の存在が、どれほど私の支えになったか計り知れません。

だからこそ今度は、私が誰かの“支え”になりたい。

それが、私がこの仕事を続けている一番の理由です。

最近では娘も起業し、一緒に働く機会も増えてきました。

若い世代の人たちが、自分の可能性を信じて前に進む姿を見ると、私もまだまだ負けていられないなと思います(笑)

そして、そういう人たちが不安になったとき、迷ったとき、心が折れそうになったときに、「ちょっと話を聞いてもらおうかな」と思えるような存在でいたいのです。

人生において、何かが完璧に揃っている状態なんて、滅多にありません。

だからこそ、誰かの足場になれるような“ちょっとした支え”って本当に大事だと思います。

「自分の人生は自分で決めていい」

「いつからでもやり直せる」

「今日をちゃんと生きれば、未来はきっと変わる」

そんな言葉を、これからも自分の背中で、そして言葉で伝えていけるような人間でいたい。

あなたの人生の、どこかのタイミングで、

私の言葉や想いが、そっと“足掛かり”になれますように。

そして今日もまた、私は私の人生を一歩ずつ登っていきます。

あの頃の私がそうであったように、誰かが一歩、踏み出せるその日まで。