日本の経済のリアル
――経験が語る、これからの生き方――
私は今年で50歳になりました。
バブル景気の余韻をかすかに知り、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍を経て、今の不安定な社会に立っている。そんな50年の人生の中で、「経済」というものがどれほど人の暮らしや人生観を左右するかを、何度も、何度も感じてきました。
この記事では、今の日本の経済について、「生活者」として、そして「働く大人」として、半世紀生きてきた私の視点から語ってみたいと思います。
これからの人生を考える同世代の方、あるいは、少し年下の30代・40代の皆さんにも、何かヒントになれば幸いです。
■「豊かさ」の定義が変わった
昭和・平成の時代には、経済的な成功=物質的な豊かさでした。
マイホームを買い、マイカーを持ち、海外旅行に行くことが「勝ち組」の象徴だった。
でも、令和の今はどうでしょうか。
「所有」ではなく「共有」へ。
「モノ」ではなく「コト」や「体験」へ。
経済の中心が「消費」から「価値観」に移り変わってきたことを、肌で感じます。
若い世代は車を買わないし、家にもこだわらない。必要な時に必要な分だけ使う。「お金をたくさん持っていること」よりも、「自由な時間」や「人とのつながり」を重視する人が増えました。
この価値観の変化こそ、経済の本質的な変化のサインだと思います。
■「働く」という概念が崩れ始めた
50歳の今、改めて思うのは、働くということの意味が大きく変わってきているということです。
かつては、終身雇用・年功序列が当たり前でした。1つの会社に勤めあげることが正解だと教えられてきた。でも今はどうでしょうか?
・正社員でもリストラされる
・定年まで勤め上げられる保証はない
・副業や起業が一般的になっている
つまり、「安定=会社」ではなくなったということです。
私自身、数回の転職や業種転換を経験し、そのたびに「経済の荒波」に揉まれてきました。中には、収入が半分以下に落ちた年もあれば、頑張って倍増した年もある。そうした中で痛感するのは、「個人の経済力」=“自分で稼ぐ力”が、これからは本当に重要になるということ。
■「老後2000万円問題」では語れないリアル
数年前、「老後資金は2000万円必要」という金融庁の報告が話題になりました。
50代の私にとっては、まさに「現実的な課題」です。
でも実際のところ、2000万円どころか「老後の見通しが立たない」人がほとんどではないでしょうか?
・年金だけでは暮らせない
・医療費・介護費はこれからもっと増える
・子ども世代の経済的援助も必要な場合がある
一方で、定年後も働ける環境が整ってきているのも事実。フリーランス、副業、シルバー人材センター、ネットを使った仕事…。
つまり、「老後=引退」ではなく、「老後=第二の経済活動」が普通になってきているのです。
■「国がなんとかしてくれる時代」は終わった
バブル崩壊以降、日本の経済政策は常に“後手後手”でした。
少子高齢化、社会保障費の増大、増税…。
どれを見ても、今後ますます個人に負担がのしかかってくるのは間違いない。
でも、そこで文句を言っていても始まらない。
「国が悪い」「政治がダメ」ではなく、自分の人生は自分で守る・切り拓く時代なのです。
だから私は、自分の中で“人生の設計図”をもう一度見直すことにしました。
■50代からでも「学び直し」ができる
私が最近始めたのは、「経済の勉強」と「お金の使い方の見直し」です。
50歳になってからでも遅くない。
・NISAやiDeCoで資産運用を始める
・副業で月5万円の収入源を持つ
・家計を見直して無駄を減らす
・地域活動やボランティアで新しいつながりを得る
・デジタルスキルを身につけて、時代に追いつく
若い頃のようなスピードはないかもしれませんが、50代には50代の「経験」という強みがあります。知恵と行動力で、まだまだ未来は変えられる。
■「不安」ではなく「備える」ことが大切
これからの時代、「漠然とした不安」だけでは生きづらくなってきます。
重要なのは、“具体的に備える”という視点です。
・自分が何歳まで働けるかを想定する
・子どもの教育費と老後資金の両立を考える
・保険や投資でリスク分散する
・「健康」も立派な経済資産だと認識する
健康であれば働ける。働ければ収入になる。収入があれば安心できる。
このシンプルな循環を、今こそ意識しておくべきです。
■これからの50代は、「新しい経済人」になる
経済とは、「お金」だけではなく、「人とのつながり」や「生き方」そのものだと思います。
だからこそ、私たち50代ができることはたくさんあります。
・若い世代に経験を伝える
・地域経済を支える立場になる
・家族の未来を守るために行動する
・自分自身の「ライフスタイル経済」を作る
「経済」と「人生」は切り離せない。
だから私は、50代という今を、自分の生き方と向き合うチャンスだと捉えています。
最後に
50代というのは、まだまだ先が長い。
人生100年時代と言われる今、あと50年生きる可能性だってある。
「もう遅い」と思うか、「まだ間に合う」と思うか。
それだけで、見える景色は全く違います。
不安定な時代だからこそ、自分の足で立ち、歩む力が問われる。
そして、そんな時代に「支える側」として立てるのが、私たち50代なのかもしれません。
今日という一日を、未来に向かって積み重ねていくために。
これからも、自分の人生の“経済設計”を、丁寧に、そして誠実に描いていきたいと思います。


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