シングルマザーで経営者になるという選択

―「母親」であり「経営者」である私のリアルストーリー―

「子どもがいるのに、よく起業なんてできたね」

「無理しないで、普通に働けばいいのに」

そんな言葉を何度も聞いてきました。

私は、シングルマザーで経営者です。

この肩書きを持つようになってから、私は数えきれないほどの偏見や不安、孤独に向き合ってきました。

それでも、「自分の人生を、自分で動かしたい」という思いだけを信じて、歩いてきた道があります。

この記事では、「シングルマザーで経営する」という、聞こえは少しタフな肩書きの裏側にある、リアルな物語と、希望のカケラを綴っていきます。

同じように悩む誰かの背中を、少しでも押すことができたら――そんな想いで書いています。

■「母である前に、ひとりの人間だった」

子どもが生まれた瞬間、人生の優先順位はすべて「子ども」になりました。

病気をすれば夜通し看病し、仕事をしながら保育園の送り迎え、家事、食事、寝かしつけ……。

シングルマザーである私には、“誰かに頼る”という選択肢はほとんどありませんでした。

でも、そんな日々のなかで、ふと自分に問いかける瞬間がありました。

「私は、いったい誰なんだろう?」

「このままの生活を、ずっと続けていくの?」

母であることは誇りです。

でも、それと同時に「自分の人生も大切にしたい」と強く思うようになったのです。

誰かの母である前に、私は私でありたい。

それが、経営者を目指した最初の理由でした。

■ 起業という未知の世界へ踏み出す勇気

「お金も時間も余裕がないのに、起業なんて本当にできるのか?」

「子どもに迷惑をかけることにならないか?」

不安と恐怖の波に押し潰されそうになるなか、それでも小さな行動を始めました。

パソコンの使い方を学び、マーケティングの基礎を独学し、SNSの発信も始めました。

夜、子どもが寝たあとにひとりでノートを開き、「夢」「やりたいこと」「好きなこと」を書き出し続けました。

当時の私は、何も持っていませんでした。

知識も、スキルも、人脈も、お金もなかった。

でも、「このまま終わりたくない」「もっと人生を楽しみたい」その想いだけが、私の武器でした。

■ シングルマザー経営者の1日

朝6時、子どもの準備と朝食。

保育園へ送り届けた後、サロンの清掃、在庫確認、SNS更新。

10時から営業スタート。お客様対応、施術、カウンセリング。

合間に事務作業や予約管理、問い合わせの返信。

夕方に営業終了、その後ダッシュでお迎え。

夜は食事、宿題、入浴、寝かしつけ。

そして再びパソコンに向かい、売上管理や勉強。

…と書いてみるとハードすぎて、自分でも笑ってしまいます。

でも、この生活の中には、やりがいも、感動も、そして「誇り」もあります。

お客様に「ありがとう」と言われるたび、

子どもが「ママ、お仕事頑張ってるね」と言ってくれるたび、

「ああ、やってよかった」と思えるのです。

■ 周囲の声と、戦い続けた自分

「子どもが可哀想じゃない?」

「もっと安定した働き方があるのに」

「起業なんて向いてないよ」

そんな言葉を投げかけられるたびに、自信をなくしました。

泣いた夜もたくさんありました。

でも、私は「私の人生を、誰かに決めさせたくない」と思っていました。

なにより、私の背中を見て育つ子どもに、

「挑戦するってかっこいい」と思ってほしかった。

「ママみたいに、自分の力で立っていける」と思ってもらいたかった。

だから私は、自分の道を諦めないと決めたのです。

■ 経営者になって見えた“新しい景色”

起業してからというもの、たくさんの壁がありました。

集客がうまくいかない、クレーム対応、売上の波…。

ひとつ乗り越えてもまた次の課題が出てきます。

でも、それ以上に得たものがたくさんありました。

「自分で考えて、自分で決められる」という自由。

「お客様の笑顔を直接見られる」という喜び。

そして、「母としてだけでなく、人として成長できた」という実感。

私が経営者になったことで、人生の彩りは何倍にも広がったのです。

■ 最後に、同じように悩むあなたへ

きっと今、この記事を読んでくれているあなたも、

「私にできるわけない」

「子どもがいるから無理」

そんな風に思っているかもしれません。

でも、私は言いたいのです。

それでも、あなたには“できる力”がある。

完璧なママじゃなくていい。

立派な社長じゃなくてもいい。

自分の人生に「YES」と言える選択を、恐れないでください。

私も、ゼロから始めたひとりです。

何も持っていなかったけど、今では「自分で生きていく力」を手にしました。

それは、あなたにも、きっとできることです。

おわりに

母親として、そして一人の女性として、

「自分を諦めない生き方」を選んだ結果が、今の私の姿です。

この記事が、少しでもあなたの勇気や希望になれたなら――

それが、私の最大の喜びです。

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